今話題の【裁量労働制】が既に導入されてるIT業界で起きてること

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首相が現国会で言及した厚生省のデータ改ざんを発端として裁量労働制が現在話題になってますね。

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このブログを初期から御覧の方はご存知かもしれませんが、

私は、デスマーチ、IT土方、多重請負、多重派遣、10K職場と悪名高いことで評判のIT業界にいました。

www.itjigoku.com

 

 そして、そのIT業界は真っ先に裁量労働制を導入した業界でもあります。

そのIT業界の裁量労働制の実態を自分自身の経験や、一緒に働いていた人から聞いた情報を基に書き綴っていきます。

※一昔前の出来事とブコメしてる方いますが、残念ながら、2010年代前半から去年2017年の出来事になります。

 そうだったらどれだけ良かったことか・・・。

 

初めに断っておきますが、ここで語るIT業界というのは、SIerとかシステムインテグレータとか呼ばれるIT業界のことを指します。そして、日本のIT企業の大部分がSIerに属しています。SIerについて本記事では割愛させていただきます。

下記の記事がSIerについて分かりやすく書かれていますので興味のある方はそちらを拝見してみてください。

se-next.com


 

裁量労働制を導入したブラックIT企業の実情

私が居たブラックIT企業も例に漏れず裁量労働制を導入しており、みなし残業代として45時間分の残業代が給料に組み込まれてました。

 

毎月残業代が組み込まれてるんだからラッキーって思いますよね?

でも、これにはカラクリがあるんですよね。

 

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上の図がこのブラックIT企業に入社時(2010年代前半)の給与内訳です。

みなし残業手当のせいで基本給が下げられてます。

 

このように基本給を下げるためにみなし残業手当が組み込まれ、残業代もカットできるという経営者にどこまでも都合の良い制度として利用されてます。

そして、このみなし残業代には、45時間分の残業代の他、休日出勤手当、深夜割増も含まれているという更に悪質なものでした。

 

更に質が悪いことに求人票にはこのような「みなし残業制」があるといった情報の記載は一切ありませんでした。

面接の段階でも「未経験なのでこの月給から開始です」と言われたくらいでみなし残業のことは一切知らされませんでした。

 

このような事実を知らされるのは、入社してから1ヵ月後、給与明細と一緒に送られてきた雇用契約書と、みなし残業手当のせいで残業代が0円になった給与明細によって知らされるのでした。

ブラック企業に入ってしまったという失望と同時に、リーマンショック後の就職氷河期で辞めても次は無いような八方塞がりの状況に絶望を感じたのを今でも覚えています。

 

このような給与形態なので、残業しても年収300万円未満でした。

ボーナスだって無しです。

昇給はしましたが年収300万円を超えたことは一度も無かった・・・。

 

個人の裁量権の実情

裁量労働制なんだから労働時間が自分で決められて自由なんでしょ?

そう思われる方も居るかもしれません。

 

残念ですが自分で決められたことなんて一度足りともありませんでした。

勤務時間も決められ、遅れたら遅刻扱いで減給、早退として減給と裁量権なんてものは一切ありません

 

 

日本のIT業界は、客先に常駐して仕事することがほとんどで、チーム毎に客先に出向ししたり(下請け)、1人客先常駐と実質派遣状態になってる会社(SES)が多いです。

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そのような労働環境の為、勤務時間、月の最低労働時間、休暇についても出向先(実質派遣先)の会社に決められ、個人の裁量権は皆無です。

勤務時間に遅れれば遅刻扱いで減給、勤務時間より早く帰宅すれば早退で減給、月の最低労働時間を下回れば減給です。

※月の最低労働時間は出向先企業次第だが「140~160時間」に設定されてる場合が多い

 

一番最悪なのは、有給を取得するには、派遣先企業と自社の両方の許可が必要で、非常に有給が取得しにくい状態です。

そのような有給が取得しにくい状態ですので、年に有給取得できたのは、38℃以上の熱で休んだ2日と有給消化扱いの夏季休暇、冬季休暇だけです。

 

派遣先企業に呼び出されたら、自分の担当じゃなくても出勤しなければならないことだってあり、日曜の夕方に呼び出され、月曜日の夜10時まで働かされたことだってありました。

断ればいいと思われるかもしれませんが、断った場合、派遣先企業から自社へクレームを入れられ、社内評価に大きく影響します。(場合によっては減給)

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残業時間と残業代

IT業界は皆さんもご存知の通り、非常に残業が多いことで評判です。

デスマーチはご存知かと思います。

 

 私も例に漏れず、炎上案件に出向させられ、毎日終電、泊り込み、休日出勤の日々を送っていたことがあります。

月の勤務時間は最高300時間近く行ったことがあり、毎月の平均の勤務時間は200時間を超えてました。

朝の10時に出社して次の日の夜の10時に退社と言う37時間勤務の日だってありました。

 

派遣先によっては残業が少ない所もありますが、毎月の平均の勤務時間は200時間を超えるような案件が圧倒的に多かったです。

 

このように、残業が激しく多いのですが、みなし残業制を導入してるので、残業代は大幅カットされてしまいます。

 まず、みなし残業手当の45時間分の残業代がカットされます。

そして、休日出勤手当もみなし残業手当に含まれてるので、休日出勤した分は丸々カットです。

果てには泊り込みも夜勤扱いになって丸々カットです。

このようカットされまくってで、月300時間近く働いて貰えた残業代が2万円でした。

 

このように、残業がどんなに増えようが残業代を大幅にカットできるため企業にとっては非常に美味しい状態になっております。

 

 勤怠管理

 勤怠管理はザルです。

タイムカードなんてものは存在しません。

 

会社から渡される勤怠表という名のExcelファイルが渡されます。

社員の自己申告でそのファイル記入し会社に提出します。

そのエクセルシートは誰でも弄ることが出来て、データの改ざんし放題で、残業を無かったことにも出来る上、ファイルを削除して証拠隠滅だって簡単に出来るような状況です。

 

一人客先常駐が多いので、実際の労働状況を把握することが難しく、自社は知らぬ存ぜぬを貫くことができ、最悪の場合、派遣先企業に至っては居なかったことにさえできます。

 

このように、確証を取ることが難しいので休日出勤・深夜割増までもみなし残業手当に含めるという違法行為だって横行しているのです。

 

 企業によっては、労働時間の管理すら行われてない所もあるようです。

というか我がブラックIT企業のことか・・・。

news.yahoo.co.jp

 

他のエンジニアの実態

 同じ出向先で働いていた同業他社の人から聞いた情報を基に実態を紹介します。

 

まずは、毎日終電、泊り込み、休日出勤が横行していて大炎上していた某大手キャリア案件で一緒に働いていた人の情報です。

Iさんの場合

Iさんは、この案件に出向してきた別のIT企業の人で、私とは別チームのリーダーをしていた人です。

派遣先企業の新年会の帰りに自宅の方向が同じで一緒に帰った時の話です。

Iさんの会社は、裁量労働制を導入していて、残業代が1円も付かない上、年収は300万円にギリギリ届かないくらいと嘆いていました。

入社して7年目になるけど1円も昇給しなかったとも言ってましたが・・・。

 

Uさんの場合

Uさんは、この案件に出向してきた別のIT企業の人で、私とは出張期間中でチームとして一緒に働いてました。

Uさんの会社は、みなし残業制を導入していて、40時間分のみなし残業手当が月給に含まれてるそうです。そして、入社して4年目にしてやっと手取り20万円超えたと言ってました。ちなみに通勤交通費は自腹と嘆いてました。

 

Mさんの場合

Mさんは、この案件に出向してきた別のIT企業の人で、私とは別チームですが、入場したての頃は接点が多く、自社の愚痴をよく聞かされてました。

Mさんの会社は、裁量労働制を導入していて残業代は付かず、年収は300万円後半。

残業代は付かないし、新卒で入った会社の年収以下でやってらんねーっていつも愚痴をこぼしていた印象があります。

そんな彼は、ゴールデンウィーク中の休みなく働かされ、心臓発作で倒れて入院、案件を退場していきました。

 

 

 次に、毎日終電、泊り込み、休日出勤が横行していてパワハラ上司の恐怖政治が敷かれていた官公庁向けサーバ構築案件の話です。

 

Tさんの場合

Tさんは、この案件に出向してきた別のIT企業の人で、過去の長時間労働で鬱病になり、治療しつつ炎上案件に身を置いてる人です。

Mさんの会社は、裁量労働制を導入していて、月の残業時間30時間を超えると、超過分の残業代は無しというシステムになっているといってました。

そんな彼は、日々の長時間労働が祟り、鬱病を再発させて休みがちになりました・・・。

そして、私の仕事が増え、ますます帰れなくなった。

 

 

次に、スキルミスマッチにもかかわらず派遣させられ、派遣先・元請け企業・受注元企業からパワハラを受けることとなった求人広告企業の案件の話です。(2017年の出来事)

 

Aさんの場合

Aさんは、この案件に出向してきた別のIT企業の人で、同じチームに配属されている人です。

Aさんとは、初対面の時に、案件やシステムの説明を受けると同時にこのようなことを言われました。

「毎日夜遅くまで働いてやってるのに、裁量労働制を導入して残業代無し、年収400万未満のクソ自社を近々辞めてやる予定だから頑張って仕事覚えてね」

私の会社も負けず劣らずクソ&今いる案件もクソだと思い、私はAさんよりも先に辞めていったのであった・・・。そしてIT業界からも去っていった・・・。

  

 

紹介したのはごく一部ですが、IT業界でもSESを生業としている企業で裁量労働制やみなし残業制を導入していない企業は、私が在籍していた2社目のIT企業しか見たことがありません。

その2社目の会社も、謎の手当モリモリで基本給を大幅に下げられ、自社サービスをやっていると謳っておきながらやっていたのは過去でSESしかやってない、スキルミスマッチの案件に派遣するといった恨みがある。

 

 

ご覧のように、裁量労働制を導入した企業が多く、個人の裁量権は皆無で、残業代カットや基本給カットといった賃金抑制として利用しているような企業が多く、定額働かせ放題になってる場合さえあります。

 

 

 

まとめ

裁量労働制は、運用次第では労働時間を短縮することも可能ですが、運用次第では定額働かせ放題や賃金抑制と企業にどこまでも都合の良い制度にもなります。

実際、裁量労働制が合法のIT業界では、残業代カットや基本給カットといった賃金抑制として利用しているような企業が多く存在している状況です。

 

働き方改革関連法案では、裁量労働制を拡大するだけあって運用方法は企業にゆだねられている状況のままです。

それに加えて、残業代ゼロ制度と悪名高い高度プロフェッショナル制度も抱き合わせで法案に盛り込まれている状況ですので、長時間労働の是正ではなく推進をしていると非難されたり、「働き方改革」を「働かせ方改革」「働き方改悪」と揶揄されるのは当然の結果です。

 

 「働き方改革」を謳うのであれば、裁量労働制の拡大を撤回し、現在の法律で定める裁量労働制そのものを再考する必要があると思います。

 

 

 

最後に、裁量労働制とはどういう制度なのか、どのような問題点があるのかについては下記に分かりやすく書かれていますので読んでみては如何でしょうか?

news.yahoo.co.jp

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!